キョンはシカ科に分類される外来種で、日本では千葉県内に野生化したキョンが多く生息しており、
その数は、2020年度で千葉県内による推計では約5万300頭もの数になります。
近年では茨城でも多く目撃されており千葉県から移動したと推測され被害は農家の方たちだけでなく一般家庭でも無視できない存在となっております。
元々、キョンが千葉県で生息された経緯として、今は廃墟と化している行川アイランドというテーマパークから脱走して繁殖されたと言われております。
本記事では、キョンの駆除方法に着目して被害情報や対策方法も解説していきます。
キョンの生態について
キョンはカ科の特定外来生物で体高約40~50センチほどの大きさで、植物の葉や木の実を主食とする生物です。
元々キョンは中国南部や台湾に生息する生物で日本では、千葉・房総半島や東京・伊豆大島で確認されておりましたが近年では茨城県石岡市内でも発見されており農作物への被害が発生しております。
キョンは年間を通して出産するため繁殖力が高く一般家庭の被害も無視できない状態となってきております。
一般家庭では庭に侵入されて樹木や花を食べることもありガーデニングが荒らされる被害もあります。
キョンの被害情報
日本でキョンによる被害は千葉県の房総半島南部で多く発生しておりましたが、
近年では茨城県石岡市内でも発見されております。
被害情報についてご紹介していきます。
キョンによる被害情報その1
2023年6月中旬頃に茨城県石岡市内で目撃され農作物が荒らされている被害がありました。
付近で他にも何頭かいる可能性があるため罠の設置など行い注意喚起が行われました。
また、発見された個体がオスのためメスも発見された場合は繁殖力が高いため注意が必要です。
キョンが繁殖されると農作物だけの被害だけでなく、道路から飛び出してくることも度々目撃されているため交通事故トラブルに発展するケースもあります。
キョンによる被害情報その2
千葉県いすみ市のいずみ鉄道による接触事故が月平均で3件発生しており、
キョンの死骸除去や安全確認などで遅れや運休が生じております。
農作物被害だけでなく、列車事故による被害も多数起こっております。
自分でも行えるキョンの駆除方法をご紹介
キョンは千葉県で大量に生息して、農作物などの被害が多く出ているにもかかわらず、
鳥獣保護法で捕獲の規制対象のため駆除・捕獲する場合は、自治体の許可など所定の手続きを踏む必要があり自分で行う駆除の方法が限られております。
以下にて自分で行える対策方法も含めてご紹介していきます。
柵を設置する
柵にも種類があり、キョンには以下の柵が有効と考えております。
1,電気柵
電気を流している金属ワイヤーまたはテープが張られており、害獣が接触すると軽い電気ショックを受けます。ショックは人間には無害ですが、害獣を効果的に撃退します。
2,固定柵
木や金属で作られた固定の柵で、高さや強度を変えることでさまざまな害獣に対応可能です。
光(ライト)を使う
キョンは夜行性のため強い光や突然の明るい光には敏感に反応し、警戒や恐れを感じることがあります。
農作物などを守るために、光を利用した忌避策としてモーションセンサー付きのライトを設置することも効果的です。
キョンが近づいてきたときに自動的にライトが点灯して、驚かせて追い払うことができます。
ソーラーパネル式のモーションセンサー付きのライトだと電池の入れ替えなどは不要なので取り入れやすい対策方法の一つになります。
香り(忌避剤)を使う
キョンが嫌がる匂いはいくつか存在し、自分でも対策がしやすい香り対策は以下の3つが効果的と考えられます。
1,犬や人間の尿
犬や人間の尿はキョンが警戒する匂いの一つであり、特に犬の尿はキョンにとって天敵の匂いとして嫌がられる傾向にあります。
2,ニンニクや唐辛子のスプレー
これらの刺激が強い匂いは、キョンに限らず野生動物が嫌がる匂いとして知られています。
農作物の周りや侵入経路の付近にこれらの匂いを設置することでキョンの侵入を防ぐ効果が期待できます。
3,商用の忌避剤
ホームセンターやネットショップでも気軽に購入することができる市販の忌避剤もキョンが嫌がる匂いも含まれているため効果的です。
日本でもキョンが生息しているのはごく一部なので、商用の忌避剤にはキョンの表記がない物が多いと思いますが一般的な害獣対応の忌避剤であれば効果はございます。
ただし、注意するポイントはこれらの匂いでの対策は一時的なもので長期的にキョンを遠ざけるには
定期的に匂いを変えて更新する必要があります。
一度、香りを設置しただけでは匂いは徐々に薄まっていくことや同じ匂いを使い続けた場合にはキョンも匂いを覚えて警戒心が取れて近づいてくる可能性もあります。
また、使用する際は、他の動植物や人々に影響を及ぼさないよう注意が必要となります。
キョンの駆除はプロの害獣駆除業者に依頼をした方がいい?
キョンの駆除は鳥獣保護法に基づいて許可を得る必要があり、決められた制約の中で駆除を行う必要があるためプロの害獣駆除業者に依頼するメリットは大きいと言えます。
キョンの駆除をプロの害獣駆除業者に依頼した方がいいメリットを5つご紹介します。
1,専門的な知識と技術
プロの業者はキョンの生態や行動パターンを理解しており、効果的な駆除方法を選択できます。また、駆除の際に必要な許可や手続きに関する知識も持っています。
2,安全性
キョンの駆除は、適切な方法や機材を使用しないと危険が伴う場合があります。プロの業者は、安全な駆除を行うための訓練を受けています。
3,効果の持続性
プロの業者は、駆除だけでなく、再発防止のための対策も提案してくれることが多いです。
4,コスト
プロの業者に依頼すると、駆除のコストがかかります。しかし、自分で駆除を試みて効果が出なかった場合や、不適切な方法で被害を拡大させてしまった場合、結果的に高額なコストがかかることも考えられます。
5,法的な問題
キョンの駆除には、地域や状況に応じて特定の許可が必要な場合があります。プロの業者は、これらの法的な手続きを適切に行うことができます。
以上、キョンの駆除をプロの害獣駆除業者に依頼した方がいいメリットを5つご紹介させていただきましたが、総合的に考えるとキョンの駆除はプロの業者に依頼することで、効果的かつ安全に対応することができると言えます。
ただし、業者選びは要注意で業者を選ぶ際は、実績や評価を確認して信頼性の高い業者を選ぶようにしましょう。
まとめ
以上、キョンの駆除方法から生態、被害情報についてご紹介させていただきましたが、キョンのお肉は生息地の台湾では高級食材とされており、千葉県の一部のお店では食べることができます。
食べた人の感想を聞いてみたところ味は脂がさっぱりしておりクセがなく、柔らかい食感で非常においしいとのこと。
千葉県の名物として売りに出した方がいいのでは?と思いましたが、千葉県が積極的に売り出すとなると販売目的などの飼育が増えて生息域が拡大されるのを懸念して売りに出すことはしないようです。
個人的には有効活用して食肉として家庭にまわってほしいとは思いますが、千葉県の意向も理解できるのでバランスは取れているのかと思います。